(5)ベルの不等式

●EPRパラドックスは思考実験であり、実際に確認することは難しいと考えられてきました。しかし、1964年に、ジョン・スチュアート・ベル(1928-1990)が、EPRパラドックスを実験によって確かめる道を開く画期的論文を発表しました。

●ベルは、相関する2つの粒子について、ほんとうは測定値が確実に予言できるが、何らかの理由でそれができない状況(隠れた変数)を仮定し、また、離れた場所にある粒子はお互いに瞬時に影響を及ぼさないと仮定した場合、2つの粒子の観測値の相関は一定値以下になることを見出しました。量子力学の非局所性が正しければ、この制限を破ることになります。これがベルの定理またはベルの不等式です。ベルの不等式はEPRパラドックスを実験によって確かめる道を切り開いたのです。

* J. S. Bell, ON THE EINSTEIN PODOLSKY ROSEN PARADOX, Physics 1(1964)195–200.

☞(6)量子もつれ(EPR相関)

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