(3)不確定性原理

●量子力学の基本的原理のひとつに、不確定性原理があります。1927年にドイツのハイゼンベルク(1901-1976)によって提唱された考え方です。

●不確定性原理によれば、量子の位置と運動量とは同時に正確な値を持つことはできず、位置を正確に測定しようとすると運動量は不確かになり、運動量を正確に測定しようとすると今度は量子の位置が不確かになります。共役関係にある物理量としては、粒子の位置と運動量のほか、角度と角運動量、時間とエネルギーなどがあります。不確定性原理は測定に伴う技術的な問題ではなく、量子が有する原理的な性質です。

*なお、不確定性原理に関しては、その後も様々な改良版が示されました。ハイゼンベルグは、不確定性原理を測定誤差と運動量の擾乱の問題として提示しましたが、ケナードはこれを位置のゆらぎと運動量のゆらぎの問題に修正しています。また、2003年に小澤正直は、ハイゼンベルクの式を一層厳密化した式を提案しています(小澤の不等式)。

●従来の物理学では、ある時点での粒子の位置と運動量は確定しており、その2つの量と、ニュートンの運動方程式があれば、粒子のその後の運動が説明できるとされていました。しかし、量子については、その考え方は当てはまりません。量子は、ひとつの物理量(たとえば位置)を正確に観測しようとすると対になる別の物理量(たとえば運動量)の不確定性が増し、両者を同時に確定できないという性質を持つのです。

☞(4)EPRパラドックス

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