(2)二重スリット実験

●光源の先に細いスリットを入れたボードを置きます。スリットを通った光は、回折によって扇型に広がっていきます。その先にさらにボードを置き、今度は細いスリットを2つ開けます。そうすると、両方のスリットを通り、回折した光同士が「干渉」を起こします。ボードの先に設けた観測スクリーンには、干渉したことを示す明暗の縞模様が表れます。これが二重スリット実験と呼ばれる量子力学で最も有名な実験です。

●光の干渉はどうして起こったのでしょうか。光源から無数に放射される光同士が干渉を起こしたのでしょうか。そうではありません。光源の明るさをどんどん暗くして、光子を1個ずつ打ち出していきます。それでも、長い時間をかけて観察すると、スクリーンには明暗の縞模様が表れます。ひとつの光子は、波として2つのスリットを通過し、ひとつの粒子として検出スクリーンに痕跡を残すのです。

●この現象は、光子ばかりではなく、電子などすべての量子で観察することができます。

●二重スリット実験は量子が波動と粒子の二重性を有することを示しています。2つのスリットを通り抜ける光子や電子は明らかに波の性質(非局所性―ある1点に特定できないこと)を有しています。しかし、観測スクリーンには粒子(局所性―ある1点に特定できること)として痕跡を残します。朝永振一郎とともにノーベル物理学賞を受賞したリチャード・P・ファインマン(1918-1988)は、この実験を、「量子力学の精髄」を示すものだと考えました。

●二重スリット実験が明らかとした事実は、量子は、観測を行う前は波の性質(非局所性)を有し、観測によって粒子の性質(局所性)を持つということです。

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