●地球上の生命は、この5億年の間に5度、大量絶滅を経験していると言われています。
●まず、大量絶滅の中には含まれていませんが、近時、5度の大量絶滅の前にも、生物種の大量絶滅があったことが判明しつつあります。今から5億4500万年程前、ゴンドワナ大陸が形成・分裂した時期です。この大量絶滅により、エディアカラ生物群といわれる軟組織で形成された生物群がほとんど見つからなくなりました。ゴンドワナ大陸分裂の際にマントル内に高温の上昇流(プルーム)がが発生し、これが非常に大規模な火山活動を引き起こしたことがその原因と考えられています。
●しかしながら、この大量絶滅は、カンブリア爆発として有名な海における生物種の急激な拡大をもたらしました。カンブリア紀(5億4200万年前~4億8830万年前)において、海における生物多様性が急激に拡大し、中でも三葉虫などの節足動物、腕足動物、軟体動物、原始的な脊椎動物などが大発展を遂げました。
(1)最初の大量絶滅は、4億4300万年前(古生代オルドビス紀末)に起きました。すべての生物種の85%が絶滅したと言われています。この大量絶滅によって、三葉虫やサンゴ類などの種が激減しました。火山の大噴火による寒冷化が絶滅の原因とも考えられています。
●しかしながら、この大量絶滅は、生物の本格的な陸上進出と海に生息する魚類の進化をもたらしました。4億4370万年前から4億1900万年前のシルル紀には、生物の本格的な陸上への進出が始まり、陸棲の節足動物や最古の陸上植物が出現しました。昆虫が登場するのもこの時期です。また、約4億1900万年前から約3億5900万年前のデボン紀には、多種多様な魚類の進化が見られ、ハイギョ、シーラカンス、サメなどが登場しました。さらにデボン紀後期には、両生類が出現しました。
(2)第2回目の大量絶滅は、約3億7400万年前(古生代デボン紀後期)に起きました。すべての生物種の82%が絶滅したと考えられています。この原因について、東北大学の海保邦夫名誉教授らは、この時代に海で堆積した地層から水銀に加え炭化水素の「コロネン」が多く含まれていることから、その原因が大規模火山の噴火であるという説を提示しています。
●しかしながら、この大量絶滅も、その後の種の進化をもたらしました。3億5920万年前から2億9900万年前までの石炭紀では、陸上ではシダ植物が大型化して大森林を形成しました。また、昆虫や両生類が多様に進化し、節足動物の巨大化も進行しました。
●約2億9900万年前から約2億5190万年前までのペルム紀では、巨大化した両生類や爬虫類が繫栄しました。植物では、シダ植物に加え、イチョウ類やソテツ類といった裸子植物も生まれ、大きな森を形成しました。海では、様々な軟体動物、棘皮動物、腕足動物が進化しました。
(3)第3回目の大量絶滅は、約2億5200年前(ペルム紀末)に起きました。地球史上最大の大量絶滅と言われ、海生生物種の96%、すべての生物種では90%から95%が絶滅したと考えられています。このとき、オルドビス紀の大量絶滅以降衰退しながらも生き延びてきた三葉虫も完全に絶滅しました。原因として最も有力な説は、シベリア東部バイカル湖の北に広がるシベリア火山の大規模な噴火が数百万年もの間続いたこととされています。
●しかしながら、この大量絶滅も、その後の生命の大きな進化をもたらしました。2億5190万年前から2億130万年前の三畳紀の海では、六放サンゴ、二枚貝、ウニ類、アンモナイトなどの海洋生物がその種を増やし、
爆発的に増えました。陸上では、体躯の大きなワニなどの爬虫類が繁栄し、初期の恐竜も現れました。哺乳類型の爬虫類の中から真の哺乳類が現れたのもこの時期です。
(4)三畳紀の終わり(約2億150万年前)に、第4回目の大量絶滅が起きました。この大量絶滅は比較的小規模で、すべての生物種の76%が絶滅したと考えられています。アンモナイトの多くの種が絶滅しました。その原因としては、中央大西洋における火山活動とする説やカナダにあるマニクアガン・クレーターを作り出した隕石の衝突によるとする説などがあります。
●しかしながら、この後、約2億130万年前から約1億4550万年前のジュラ紀には、動物、植物ともにその種類を増やし、また、大型化していきました。陸上では恐竜が大型化するとともに、小型の恐竜の一部が鳥類に進化し始祖鳥が現れました。植物ではイチョウ、ソテツなどの裸子植物が大きく繁栄しました。またジュラ紀後半には被子植物も現れました。海洋ではアンモナイトやプランクトンが繁栄しました。
●続く白亜紀(約1億4,500万年前から6,600万年前)は恐竜の全盛期です。前期はジュラ紀に栄えた恐竜が中心でしたが、後期になると、ティラノサウルス、トリケラトプス、プテラノドンなど私たちがよく知る恐竜たちが繁栄しました。植物は裸子植物やシダなどが減少し、被子植物が進化していきました。これに伴って、昆虫や小型哺乳類の多様化も進みました。海洋ではモササウルスをはじめとする首長竜などが繁栄したほか、現在見られる形のエイ、サメ、ニシンなどが現れました。
(5)第5回目の大量絶滅は6600万年前(白亜紀末)に起こりました。この大量絶滅は、恐竜を絶滅させたことで有名です。この大量絶滅によって、地球上の動植物のうち75%の種が絶滅したと言われています。海中ではアンモナイトと海生爬虫類が絶滅しました。原因については、小惑星がユカタン半島付近に衝突したとする説(隕石説)が最も有力視されています。それにより発生した火災と衝突の衝撃で巻き上げられた塵埃が太陽の光を遮ることで、全地球規模の気温低下を引き起こし、大量絶滅につながったと考えられています(隕石の冬)。
●しかしながら、6500万年前から現在に至る新生代は、哺乳類が進化し、その種の数や個体数を爆発的に増やした時代です。哺乳類は、ネズミ・リスなどの齧歯目(げっしもく)、ウマ・サイなど奇蹄目(きていもく)、ゾウなどの長鼻目(ちょうびもく)、イノシシ・ラクダ・ウシ・キリンなどの偶蹄目(ぐうていもく)、サルなど霊長目(れいちょうもく)、クジラなど鯨下目(げいかもく)など、多様な種類に分化していきました。
●そして、人類(ヒト族)が出現したのは500万年前と言われています。人類は、500万年前に出現した猿人(アウストラロピテクス)、180万年前に出現した原人(ホモ=エレクトゥス)、20万年前に出現した旧人(ネアンデルタール人)、そして、4万年前に出現した新人(クロマニョン人など)などに進化していきました。
●最後まで生き延びた人類が現生人類(ホモ・サピエンス)です。現生人類は約30万年前にアフリカで登場したとされ、6万年前にアフリカを離れて全世界に広がり、現在の多様な人類社会を築き上げました。
☞(2)人類の絶滅は必然!?