●(1)と(2)において、私たちが「世界」と認識しているものは、実は、私たちの「意識」が構築した世界であることを確認しました。私たちの有する「記憶」や「意識の統合作用」なしには、私たちが世界と認識しているものは存在しないのです。
●(3)では、量子力学の知見から、「物質が存在すること」と「物質を観測すること」とは同じことである点を確認しました。
●私は、これをさらに推し進めて、「意識」が「実在」を作り出しているという仮説を提示したいと思います。
●この仮説は、一般的常識からすると、極めて荒唐無稽に思えます。しかし、上述した私たちの実感としての「世界の認識」とは100%合致しています。そして、量子力学の諸原理ともまったく矛盾していません。
●この考え方は、量子力学の分野では、ノイマン=ウィグナー理論と呼ばれるものです。ノイマン=ウィグナー理論では、量子測定のプロセスの完了に意識が必要であると考えます。しかし、ノイマン=ウィグナー理論は、量子力学の研究者の間ではまったく受け入れられていません。なぜなら、科学の分野に、「意識」という検証不能な概念を持ち込んだからです。
●しかし、量子力学の諸原理自体が観測行為との関係なしには説明できないとしますと、こうした考え方を全面的に排除するのもまた間違いです。そして、上述したとおり、量子の不思議な振る舞いを全体として説明しようとすると、「意識」の観点から説明するのが最も論理的だと思われるのです。
●それでは、「観測」とは何でしょうか、「意識」とは何でしょうか。